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終わりの始まり④ [記憶のカケラ。]

舗装されていない道路を、時折飛び跳ねながらバスは進みます。

土埃を巻き上げながら、進みます。


気がつくと、わたしは全く無音の世界にいました。

日本をでて何時間になるだろう?

無気力感。未知の世界にもなんの緊張も抵抗も執着もない。

ただ、ながれる景色をぼんやりと眺めるだけ。


鋭い指笛が一瞬聞こえ、そのあと続いてありとあらゆる音が押し寄せてきます。

指笛は、あるべき場所にないサイドミラーの代わりにヤッターマンよろしく乗車口(ドアはない・・・)から身を乗り
出した乗務員の少年が、未舗装の道路に突然待ち構える穴ぼこを運転手に知らせるためのものでした。

繰り返される、運転手とのみごとなコンビネーション。


「・・・ミラーつけれ」


と思ったけれど、そうすると少年の仕事はなくなってしまうのかもしれない。

車内に流れる大音量の音楽は周りの雑音を掻き消すほど。聞いたこともないアップテンポの曲調で、今思えばあれが「メレンゲ」との出会いでした。
 


終わりの始まり⑤へつづく・・・




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