チャランゴのかけら。 [記憶のカケラ。]
(終わりの始まり⑩の続き)
グァテマラの滞在日数をリセットするため、隣国のホンジュラスにいったん逃げようと一緒に旅立った2人のうち1人は日本人のKさんでした。
Kさん携行のチャランゴは小ぶりな弦楽器(ウクレレくらいかな?)で、弦が10本ありました。
国境手前での(麻薬)荷物検査はチャランゴの中まで調べられました。
当時グァテマラは内戦が終わったとはいえ、とても不安定で・・・でもそれとは別に、単なる「こづかい稼ぎ」でねちねちと監視員につきまとわれたのは明らかですがね。
何週間かホンジュラスで過ごしたのち、再びアンティグアの町に帰ってきました。
Kさんはチャランゴに「マヌエル」と名付けて、それはもういとおしそうに弾いていましたっけ。
かつてチャランゴはアルマジロの甲羅でできていたのですが、いまやアルマジロは希少動物。ワシントン条約適用の動物であることからその代用品である木彫りのものが一般的といえるのかもしれません。
すごくアンニュイなおもむきの我が家のアルマジロさんをじぃっと見ていると、忘れていたはずのグァテマラ、アンティグアの町を思い出します。
暗闇にぽっと裸電球がともってた、屋上のKさんのペントハウス。
「Esta K en casa?」
大声で窓に向かって叫ぶと、いつも迷惑そうにCristinaが玄関を開けてくれました。
月は高く小さく、雨期でも夜中はカラリと乾燥して、少し肌寒い季節でした。
どこで誰とどうして知り合ったのか、今となってはわかりませんが、その時自分に必要な人に出会えるという幸福感を、たくさんの人にもらいました。
今もみんな、笑って
「あれぇ?モモキチじゃねぇの?」
って言ってくれるかな。
現実は行方不明の人のなんと多いこと・・・
みんなもまだ旅の途中かな?
◇出展のご案内◇
3/28(金)~30(日)「アート&クラフト展」
阪神梅田本店11階グリーンルーム (※3日間とも18時閉場)
4/9(水)~15(火)「創作作家展」
西宮阪急百貨店1階ダイニングイベントスペース(最終日は18時閉場)
5/3(土)4(日)「アート&てづくりバザールin KOBE」
神戸国際展示場3号館ミニスペシャルブース
2014-03-25 18:59
nice!(20)