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終わりの始まり② [記憶のカケラ。]

さて、早朝グァテマラ国際空港に降り立ったモモキチは、「国際」空港のあまりの規模の小ささに驚きつつも、入国の際「滞在許可日数」の交渉をすることになりました。

「90日、だめなら60日ちょうだい。」

モモキチがあいかわらずふてぶてしくそう言うと、係員はじぃっとこちらを凝視していましたが、やがてだまって「30」という数字のはんこをモモキチのパスポートに押すと、ニヤリ、と不敵に笑いやがりました。

ちっ、、、だめだったか。

英語もスペイン語も話せないんじゃ、ま、こんなもんかな。

もともとその辺は個人の判断に任せられているらしく、「運が良ければ」60日の許可がもらえるという話はガイドブックを読んで知っていたので「ま、いいや、移民局でなんとかしよう。」とおとなしくそこを離れました。

両替所も開いていない時間帯だったので、ひとまずバックパックを床におろし、ペンキが剥げかかった手すりにもたれて、ほぅ、と一息つきました。

目的もなく、行先も決めず、宿もない。

これからどうすんだ?

と、無計画な自分が心の底からおかしくなって、いつの間にか声をあげて笑っていました。行くところなんてないのに、言葉もわからないのに、下手したら帰り道すらわからない(笑)。

ほんと、おかしくって。

声をあげてわらったのなんて、どのくらいぶりだろう?

人間はね、本当に困ったときは笑うの。ふふふ。

「・・・なんだ、わたし、もう笑えるじゃん。」

そう思うともっとおかしくなって、通りすがりに変な目で見られながらも笑わずにいられませんでした。




「終わりの始まり③」へつづく。


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